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有賀 武夫; 片野 吉男*
Proceedings of 2000 International Conference on Ion Implantation Technology (IIT 2000), p.797 - 800, 2000/00
標準の316ステンレス鋼に雰囲気温度で3.0MeVのHeイオンを910/mまで照射し、深さ方向の損傷組織が観察できる透過電子顕微鏡用試験片を造り、1MeVの電子線を32dpaまで照射し、Heが分布する深さの範囲の組織変化をその場観察した。Heを照射したままの試料で観察された欠陥集合体の深さ方向の数密度分布は、集合体がHe原子の分布に依存して形成されたことを示し、823Kで32dpaまで電子線照射しても、キャビティの形成は認められなかった。すなわち、~0.1at.%の高濃度で予注入されたHe原子は、照射で造られた空格子点と複合体を形成し、これらの高密度で形成された複合体が照射で造られた点欠陥の消滅場所となり、キャビティの形成を抑えたことを示している。
片野 吉男*; 有賀 武夫; 山本 春也; 中沢 哲也; 八巻 大樹
Proceedings of 2000 International Conference on Ion Implantation Technology (IIT 2000), p.805 - 808, 2000/00
核融合炉において電気絶縁体材料等として使用されるアルミナ(-AlO)の照射損傷を調べる目的で、H,HeイオンとNまたはOイオンをトリプルビームで同時照射し、損傷組織を深さ方向に透過電子顕微鏡で観察した。表面から1.4~1.5mの深さに停止イオンが分布するように、0.25MeVのHイオンと0.6MeVのHeイオンと、さらにこれらの深さを通過しながらはじき出し損傷を与える目的で、4.7MeVのNイオンをトリプルで照射(923K)した試料では、平均~3nmのキャピティが、1.45と1.55mの深さに帯状に観察された。同量のH,HeをOイオンとともに約1/2のdpa/sで注入した試料ではキャビティーの成長が抑えられた。H,Heのキャビティーの形成に及ぼす損傷速度の効果を定量的に把握するとともに、水素原子の動きに及ぼすHe原子の役割を示した。